フェイルオーバードメインとは、システム障害が発生した場合に、 サービスを実行するクラスタメンバの指定サブネットです。 フェイルオーバードメインは以下のような特性を持つことができます。
制限なし — 自由にメンバのサブセットが優先することを指定できますが、 このドメインに割り当てられるサービスは利用可能なメンバいずれでも実行することができます。
制限あり — 特定サービスを実行できるメンバを限定することができます。 制限ありのフェイルオーバードメインで利用可能なメンバがない場合、 サービスを起動することができません(手動またはクラスタソフトウェアで)。
順位なし — 優先順位なしのフェイルオーバードメインにサービスが割り当てられるとき、 サービスを実行するメンバが優先順位なしにフェイルオーバードメインメンバから 選ばれます。
順位あり — フェイルオーバードメインのメンバの中で優先順位を指定することができます。 リストの先頭にあるメンバは最も優先順位が高く、その次のメンバーが2番目の順位というように 続きます。
デフォルトでは、フェイルオーバードメインは制限なしで順位なしになっています。
いくつかのメンバによるクラスタで、制限ありのフェイルオーバードメインを使用すると、 クラスタがサービスを実行するよう設定する作業を軽減することができます (httpdなど、サービスを実行するすべてのメンバで 全く同じ設定をする必要があるもの)。 クラスタ全体がサービスを実行するよう設定する代わりに、 そのサービスと関連する制限ありのフェイルオーバードメインでそのメンバーだけを 設定します。
![]() | ヒント |
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優先メンバのコンセプトを実施するには、 クラスタメンバが1つだけの構成の制限なしフェイルオーバーのドメインを作成します。 これにより、サービスは優先メンバーで実行します。障害が発生した場合、 サービスは他のメンバにフェイルオーバーします。 |
フェイルオーバードメインをクラスタソフトウェア設定に追加するには、 次の手順に従います。
フェイルオーバードメインタブを選択して、 新規をクリックします。 図2-16で示すような、 フェイルオーバードメインダイアログボックスが表示されます。
ドメイン名フィールドにドメインの名前を入力します。 この名前は、ネットワークで使用されている他の名前と比較して区別しやすく わかりやすい名前にしてください。
フェイルオーバーをこれらのメンバのみに制限にチェックを入れ、 このドメインに割り当てられたサービスがこの一覧以外のメンバに引き継がれないようにします。
メンバが特定の順序でフェイルしたサービスの制御を引き受けるようにする場合は、 優先順位があるフェイルオーバーにチェックを入れます。 ドメインにあるメンバ一覧のメンバの位置で優先順位が示され、 最も優先順位が高いメンバが先頭にあります。
メンバの追加をクリックして、このフェイルオーバードメインの メンバを選択します。フェイルオーバーのドメインメンバ ダイアログボックスが表示されます。
一覧からのメンバ選択が完了したら、OKをクリックします。 選択したメンバがフェイルオーバーのドメイン一覧に表示されます。
優先順位があるフェイルオーバーにチェックをつけるとき、 一覧ボックスでメンバ名を希望の位置へドラッグするとドメイン内でメンバの順番を 配置替えできます。細い黒線が表示され、新しい位置を示します(マウスボタンを離したとき)。
完了したらOKをクリックします。
ファイル => 保存と選択して、 クラスタ設定への変更を保存します。
フェイルオーバーのドメインからメンバを削除するには、次の手順に従います。
Failover Domainsタブで、編集するドメイン名をダブルクリックします (または、ドメインを選択してプロパティをクリックします)。
フェイルオーバーのドメインダイアログボックスで、 ドメインから削除するメンバ名をクリックして、メンバの削除 をクリックします。(メンバはひとつずつ削除してください。)削除の確認を要求されます。
完了したらOKをクリックします。
ファイル => 保存と選択して、 クラスタ設定への変更を保存します。