B.5. SCSI ID番号

SCSIバス上の各デバイスは、固有のSCSI ID番号を持っている必要があります。デバイスには、ホストバスアダプタ、RAIDコントローラ、およびディスクが含まれます。

SCSIバス上のデバイス数は、バスのデータパスによって異なります。クラスタは、16ビットデータパスで最大16個のデバイスを接続可能なWide SCSIバスをサポートしています。このため、バス上のデバイスに割り当てることができるSCSI IDは16個あります。

さらに、SCSI IDは優先順位付けされています。SCSI ID番号を割り当てる場合は、以下優先順位に従ってください。

7 - 6 - 5 - 4 - 3 - 2 - 1 - 0 - 15 - 14 - 13 - 12 - 11 - 10 - 9 - 8 

前述した順序は、7が最も優先順位が高く、8が最も優先順位が低いことを表しています。通常アダプタには最も高い優先順位を割り当てるため、ホストバスアダプタのデフォルトのSCSI ID番号は7になっています。RAID管理インタフェースを使用して、RAIDサブシステム内の論理ユニットにID番号を割り当てることもできます。

アダプタのSCSI ID番号を変更するには、システムBIOSユーティリティを使用します。システムが起動すると、ユーティリティの開始方法が表示されます。たとえば、[Ctrl]-[A]を押すように求められますので、画面の指示に従ってSCSI ID番号を設定してください。この時点で、必要に応じてアダプタの内部ターミネーションをイネーブル/ディスエーブルに設定したり、SCSIバスのリセットを無効にすることもできます。詳細については、項B.3を参照してください。

SCSIバスの優先順位による競合解決方法により、優先順位の低いデバイスが特定期間除外されることがあります。ディスクなどの優先順位の低いストレージデバイスが競合で勝つことができず、ホストがキューしたコマンドを完了することができなかった場合、コマンドがタイムアウトになります。作業負荷によっては、ホストバスアダプタに優先順位の低いID 番号を割り当てることでこの問題を解決できます。