第 5章. ネットワークファイル共有サービス

この章では、NFSおよびSambaを使用したネットワークファイル共有サービスのアベイラビリティ(可用性)を高めるためのRed Hat Enterprise Linuxの設定方法について説明します。

5.1. NFSサービスの設定

アベイラビリティ(可用性)の高いネットワークファイルシステム(NFS)は、クラスタリングインフラストラクチャの主要な機能の1つです。クラスタ化したNFSサービスには、以下の利点があります。

5.1.1. NFSサーバーの要件

可用性の高いNFSサービスを構築するには、各クラスタメンバーがいくつかの要件を満たしている必要があります(注記: これらの要件は、NFSクライアントシステムには適しません)。これらの要件は以下のとおりです。:

  • すべてのクラスタサーバーでNFSデーモンが実行されている必要があります。 以下を実行してサーバーのステータスを確認します。

    /sbin/service nfs status

    NFSサービスは、次のNFSデーモンが実行していない限り起動しません。nfsdrpc.mountdrpc.statd。サービスが稼動していない場合、 以下のコマンドで起動します。

    /sbin/service portmap start
    /sbin/service nfs start

    再起動のとき、及びランレベルを変更したときにNFSを起動させるには、 以下のコマンドを実行します。

    /sbin/chkconfig --level 345 nfs on
  • また、RPC portmapデーモンも以下のコマンドを使って有効にする必要があります。

    /sbin/chkconfig --level 345 portmap on 
  • クラスタ化されたNFSサービス用のファイルシステムマウントとそれに関連付けられているエクスポートは、/etc/fstabまたは/etc/exportsファイルに含まれていてはいけません。クラスタ化されたNFSサービスでは、マウントとエクスポートを表しているパラメータは、クラスタ設定ツールを使用して入力します。 このツールではユーザーが便利なように、 既存ファイルからクラスタ設定ファイルにエントリをインポートできるよう NFSの大量ロード機能を提供しています。

  • NFSは、Red Hat クラスタ マネージャを使いTCPで実行するようには設定できません。 正しくフェイルオーバーの機能が作動するよう、 NFSはデフォルトのUDPで実行する必要があります。

NFSサーバーの設定方法についての詳細は、Red Hat Enterprise Linux システム管理ガイドを参照してください。