第 10章. 初期のLVS設定

Red Hat Enterprise Linuxのインストール後、LVSクラスタ内のLVSルータとリアルサーバーをセットアップするための基本手順をいくつか行う必要があります。 この章では、このような最初の手順について詳しく説明します。

注意注記
 

LVSルータノードは、クラスタが起動されるとアクティブノードとなるノードであり、 プライマリノードとも呼ばれます。 LVSクラスタを設定する際は、プライマリノード上のPiranha 設定ツールを使用します。

10.1. LVSルータ上のサービスの設定

Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムによって、LVSクラスタのセットアップに必要なすべてのコンポーネントがインストールされますが、クラスタを設定する前に該当するサービスをアクティブにしておく必要があります。2台のLVSルータの両方に、ブート時に該当するサービスが起動されるよう設定します。 Red Hat Enterprise Linux でのブート時にサービスをアクティブにする設定用の主要ツールとして、コマンドラインプログラムのchkconfig、ncursesベースのプログラムntsysv、グラフィカルアプリケーションのサービス設定ツールの3つがあります。この3つのツールいずれを使用するにも、rootユーザーのアクセス権が必要です。

ティップヒント
 

rootユーザとしてアクセスするには、シェルプロンプトを開いて、次のコマンドを入力した後に、rootパスワードを入力します。

su -

LVSルータ上には、ブート時にアクティブになるよう設定が必要なサービスが3つあります。

マルチポートサービスのクラスタ処理を行う場合、またはファイアウォールマークを使用する場合、iptablesサービスも有効にする必要があります。

このようなサービスは、ランレベル3とランレベル5の両方でアクティブにする設定が最適です。この設定を行うには、chkconfigを使って、各サービスについて以下のコマンドを入力します。

/sbin/chkconfig --level 35 daemon on

上記のコマンドで、daemonはアクティブにするサービスの名前に置き換えます。システム上のサービスのリストと、そのサービスがアクティブに設定されているランレベルを調べるには、次のコマンドを実行します。

/sbin/chkconfig --list

警告警告
 

上記のサービスをchkconfigコマンドでオンにしても、デーモンは実際に起動されません。デーモンを起動するには、/sbin/serviceコマンドを使用します。/sbin/serviceコマンドの使用例については、項10.3を参照してください。

ntsysvサービス設定ツールを使う場合のランレベルとサービスの設定の詳細については、 Red Hat Enterprise Linux システム管理ガイド「サービスに対するアクセスの制御」の章を参照してください。