プライマリLVSルータの設定後、クラスタを起動する前にバックアップLVSルータにコピーする必要がある設定ファイルがいくつかあります。
コピーする必要があるファイルは、以下のとおりです。
/etc/sysconfig/ha/lvs.cf ― LVSルータ用の設定ファイル
/etc/sysctl ― 特にカーネル内でパケット転送をオンにする設定ファイル
/etc/sysconfig/iptables — ファイアウォールマークを使用している場合、 使用しているネットワークパケットフィルターに応じて、 これらのファイルのどれかを同期させる必要があります。
![]() | 重要 |
---|---|
Piranha 設定ツールを使ってクラスタを設定する場合、/etc/sysctl.confファイルと、 /etc/sysconfig/iptablesファイルは、 変更しません。 |
LVS設定ファイル/etc/sysconfig/ha/lvs.cfを作成または更新した場合は、バックアップLVSルータノードに必ずコピーしなければなりません。
![]() | 警告 |
---|---|
アクティブLVSルータとバックアップLVSルータの両方に、同一のlvs.cfファイルがなければなりません。LVSルータ間でLVS設定ファイルが一致していないと、フェイルオーバーができません。 |
コピーする最善の方法は、scpコマンドを使うことです。
![]() | 重要 |
---|---|
scpコマンドを使用するには、バックアップルータ上でsshdが稼働している必要があります。LVSルータ上で必要なサービスを適切に設定する方法については、項10.1 を参照してください。 |
rootユーザーで、プライマリLVSルータ上で次のコマンドを実行して、ルータノード間でlvs.cfファイルを同期させます。
scp /etc/sysconfig/ha/lvs.cf n.n.n.n:/etc/sysconfig/ha/lvs.cf |
上記のコマンドで、n.n.n.nはバックアップLVSルータの実IPアドレスに置き換えます。
ほとんどの状況で、sysctlファイルを変更するのは1回だけです。このファイルは、ブート時に読み込まれ、カーネルにパケット転送をオンにするよう通知します。
![]() | 重要 |
---|---|
カーネルでパケット転送が有効になっているかわからない場合は、項10.5 を参照して検査方法を確認した上で、必要に応じてこの重要な機能を有効にしてください。 |
iptablesを使用している場合、 バックアップLVSルータ上の該当する設定ファイルを同期させる必要があります。
ネットワークパケットフィルタールールを変更した場合、プライマリLVSルータ上で以下のコマンドをrootユーザーで実行します。
scp /etc/sysconfig/iptables n.n.n.n:/etc/sysconfig/ |
上記のコマンドで、n.n.n.nはバックアップLVSルータの実IPアドレスに置き換えます。
次に、バックアップルータに対するsshセッションをオープンするか、rootユーザーでバックアップルータにログインして、次のコマンドを入力します。
/sbin/service iptables restart |
該当するファイルをバックアップルータ上にコピーしてから、該当するサービスを起動する(詳細については、項10.1 を参照)と、クラスタを起動する準備が整います。