付録 D. クラスタ コマンドライン ユーティリティ

この付録ではRed Hat クラスタスィートにて提供される 下記のコマンドライン ユーティリティの参考情報を 掲載します。

D.1. redhat-config-cluster-cmdの使用

このセクションではredhat-config-cluster-cmdユーティリティの例について説明します。 このユーティリティによってあらゆるクラスタの設定を行なうことができ、情報は/etc/cluster.xmlファイルに格納されます。

使用法、オプション、redhat-config-cluster-cmd コマンドの使用例についてはこの man ページを参照ください。 シェルプロンプトから man ページにアクセスするには、 man redhat-config-cluster-cmdを入力してください。

redhat-config-cluster-cmdユーティリティのみで設定されたクラスタシステムの例は次の通りです。

小規模な組織のエンジニア部門に高可用性のNFSサービスを提供するクラスタシステムの構築を、あるシステム管理者が考えているとします。 そして、エンジニア部門の3メンバー(Bob、Jane、Tom)のみが NFSエクスポートにアクセスできるようにするとします。

  1. サービスを追加し、クラスタ上で実行される他のサービスと区別する 記述的な名前を付けます。

    redhat-config-cluster-cmd --add_service --name=nfs_engineers
  2. フェイルオーバー時にあるメンバーから他のメンバーに移動されるサービスIPアドレスを 追加します。

    redhat-config-cluster-cmd --service=nfs_engineers --add_service_ipaddress \
    	      --ipaddress=10.0.0.10
  3. サービスに対してデバイスを追加します。(NFSエクスポートとして機能する ディスクパーティション)

    redhat-config-cluster-cmd --service=nfs_engineering --add_device --name=/dev/sdc3
  4. デバイスのマウント ポイントを追加します。 (注記: マウントポイントは/etc/fstabには記載できません)

    redhat-config-cluster-cmd --service=nfs_engineering --device=/dev/sdc3 --mount \
    	      --mountpoint=/mnt/nfs/engineering/ --fstype=ext3 \
    	      --options=rw,nosuid,sync --forceunmount=yes
  5. NFSエクスポートのマウントされたディレクトリを追加します。

    redhat-config-cluster-cmd --service=nfs_engineering --device=/dev/sdc3 \
    	      --add_nfs_export --name=/mnt/nfs/engineering
  6. Bob に対してクラスタされたNFSエクスポートへのアクセスを許可します。

    redhat-config-cluster-cmd --service=nfs_engineering --device=/dev/sdc3 \
    	      --nfsexport=/mnt/nfs/engineering --add_client --name=bob \
    	      --options=rw
  7. 同じやり方6で、Jane と Tomに対してアクセスを許可します。

redhat-config-cluster-cmd 使用に関しての詳細と例は、 次をシェルプロンプトにて入力して、man ページを参考してください。

man redhat-config-cluster-cmd