Red Hat クラスタ マネージャでは、クラスタの動作を監視する次のようなデーモンを提供します。
cluquorumd ― quorum処理デーモン
clusvcmgrd ― サービスマネージャデーモン
clurmtabd — サービスのマウントポイント上の プライベートコピーを付けて、/var/lib/nfs/rmtab 内のNFSマウントエントリを同期します。
clulockd — グローバルロックマネージャです (clusvcmgrdはこのデーモンの唯一のクライアントです)。
clumembd — メンバシップデーモン
これらの各デーモンは、クラスタ設定ツールを使用して 個別に設定できます。クラスタデーモンプロパティダイアログボックスに アクセスするには、クラスタ => デーモンプロパティ と進みます。
次のセクションでは、クラスタデーモンのプロパティを設定する方法を説明しています。 ただし、デフォルト値はほとんどの設定に適用することができ、 変更の必要はないことに注意してください。
各クラスタシステム上で、clumembdデーモンは、 ポイントツーポイントのイーサネットラインを介してハートビート(pings)を接続されている クラスタメンバに発行します。
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ブロードキャストのハートビートとマルチキャストのハートビートの 両方を有効にすることができますが、 この機能の少くとも1つは使用してください。 チャンネルボンドされたイーサネットインターフェースを介したマルチキャストハートビートでは、 フォールトトレランスに優れ、可用性に重点を置く場合におすすめです。 |
clumembdデーモンには以下のようなプロパティを指定することができます。
ログレベル — クラスタログファイル(デフォルトでは /var/log/messages)に記録されるイベントメッセージのレベル を決定します。メニューから適切なログレベルを選択します。 詳細については、項2.12を参照してください。
フェイルオーバーの速度— クラスタサービスが応答しないメンバ(ハートビートが検出されないメンバ) をシャットダウンするまでの秒数を確定します。フェイルオーバーの速度を設定するには、スライダーバーをドラッグします。 デフォルトのフェイルオーバーの速度は10秒です。
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フェイルオーバーの速度を短くすると、誤ったシャットダウンが増える可能性があります。 |
ハートビート — 該当するラジオボタンをクリックして、 ブロードキャストのハートビートを有効にするか、 マルチキャストのハートビートを有効にする。 ブロードキャストのハートビートは、ハートビートを発行したときに ブロードキャストIPアドレスがclumembdデーモンで使用されることを指定します。
デフォルトでは、clumembdはマルチキャストを介してハートビートを 発行するよう設定されます。マルチキャストは、ハートビートの転送用メンバのホスト名に関連した ネットワークインターフェースを使用します。
Multicast IP Address — マルチキャストチャンネルを介して clumembdデーモンによって使用されるIPアドレスを指定します。 このフィールドは、ブロードキャストのハートビートを有効にするに チェックした場合は編集できません。 クラスタによって使用されるデフォルトのマルチキャストIPアドレスは225.0.0.11です。
タイブレーカーIPアドレスが指定されていない2つのメンバのクラスタでは、 cluquorumdデーモンは定期的にタイムスタンプとシステム状態を プライマリ及びシャドウ共有パーティション上の特定エリアに書き込みます。 また、デーモンは他のメンバのタイムスタンプとシステム状態の情報を プライマリ共有パーティションから読み込みます。プライマリパーティションが壊れている場合は、シャドウパーティションから読み込みます。
以下のようなcluquorumdデーモンのプロパティを指定することができます。
ログレベル — クラスタログファイル(デフォルトでは /var/log/messages)に記録されるイベントメッセージのレベル を決定します。メニューから適切なログレベルを選択します。 詳細については、項2.12を参照してください。
Ping 間隔 または タイブレーカーIP — Ping 間隔はディスクベースのハートビートに使用されます。 quorumデーモンのオンディスク状態に対する更新の間隔を秒数で指定します。
タイブレーカーIPは、quorumを確認するのに使用される ネットワークベースのハートビートで、サービスを実行することができます。 タイブレーカーIPアドレスは、2つか4つのメンバのクラスタで均等分割するときにのみ チェックされます。このIPアドレスは、通常の動作中、 クラスタソフトウェアで使用されるイーサネットインターフェースを介して すべてのメンバがアクセスできるルータに関連している必要があります。
clurmtabdデーモンは、サービスのマウントポイント上の プライベートコピーを付けて、/var/lib/nfs/rmtab内の NFSマウントエントリを同期します。clurmtabdデーモンは、 NFSエクスポートがあるサービスが実行中のときのみ実行します。
以下のようなclurmtabdデーモンのプロパティを指定することができます。
ログレベル — クラスタログファイル(デフォルトでは、 /var/log/messages)に記録されるイベントメッセージのレベルを決定します。 メニューから適切なログレベルを選択します。 詳細については、項2.12を参照します。
Poll 間隔— ローカルのNFSrmtab を共有ストレージ上のクラスタrmtabに同期するポールサイクル間の 秒数を指定します。
各クラスタシステムで、clusvcmgrdサービスマネージャデーモンは、 サービスを停止、開始することでクラスタメンバシップ内の変更に応答します。 複数のclusvcmgrdプロセスが実行されているのに 気づくことがあるかもしれません。別々のプロセスが開始、 停止、監視の各動作に対して引き起こされます。
以下のようなclusvcmgrdデーモンのプロパティを指定することができます。
ログレベル — クラスタログファイル(デフォルトでは、 /var/log/messages)に記録されるイベントメッセージのレベルを決定します。 メニューから適切なログレベルを選択します。 詳細については、項2.12を参照します。
clulockdデーモンは、クラスタメンバによってアクセスされるファイル上の ロックを管理します。
以下のようなclulockdデーモンのプロパティを設定することができます。
ログレベル — クラスタログファイル(デフォルトでは、 /var/log/messages)に記録されるイベントメッセージのレベルを決定します。 メニューから適切なログレベルを選択します。 詳細については、項2.12を参照します。