5.8. smb.conf.sharenameファイルのフィールド

ここでは、smb.conf.sharenameファイル内のフィールドについて説明します。これらのフィールドは、アベイラビリティ(可用性)の高いSambaサービスを正常に機能させるのに重要なフィールドです。本書では、Samba設定ファイル内のすべてのフィールドについては説明しません。クラスタリングのサポートで追加されたフィールド名はありません。ファイル形式はSambaの標準表記規則に従います。

以下は、クラスタ設定ツールで自動的に生成された smb.conf.sharename ファイルの例です。この例では、mktg という名前の共有を示しています。ファイルの名前は、/etc/samba/smb.conf.mktgです。

# Template samba service configuration file - please modify
# to specify subdirectories and client access permissions.
# Remember to copy this file over to *ALL* other cluster
# members.
#
# From a cluster perspective, the key fields are:
# lock directory - must be unique per samba service.
# bind interfaces only - must be present set to yes.
# interfaces - must be set to service floating IP address.
# path - must be the service mountpoint or subdirectory thereof.
# Refer to the cluster documentation for details.

[global]
	workgroup = RHCLUSTER
	pid directory = /var/run/samba/mktg
	lock directory = /var/cache/samba/mktg
	log file = /var/log/samba/%m.log
	encrypt passwords = yes
	bind interfaces only = yes
	interfaces = 192.168.26.11

[mktg]
	comment = High Availability Samba Service
	browsable = yes
	writable = no
	public = yes
	path = /share

ここでは、/etc/samba/smb.conf.sharenameファイルのクラスタリングに最も関連するフィールドについて説明します。この例では、ファイル名は、クラスタ設定ツール を実行中に指定した共有名(mktg)にしたがって、 /etc/samba/smb.conf.mktgです。 ここではクラスタ固有のフィールドだけについて説明します。 その他のフィールドは、Sambaの標準構文に従います。

Global Parameters

これらのパラメータは、smb.conf.sharenameファイルに指定されているすべての共有に関係します。 このファイルに複数のシェアを指定することができます。ただし、ここに指定するディレクトリは、サービスのファイルシステムマウント内になければなりません。

lock directory

Sambaデーモン(smbdnmbd)がロックファイルを配置するディレクトリの名前を指定します。これは、/var/cache/samba/sharenameに設定する必要があります。sharenameは、クラスタ設定ツール で指定したパラメータによって異なります。サーバーごとのsmbdnmbdの個別インスタンスを許可するには、ロックディレクトリを指定する必要があります。

pid directory

Sambaデーモン(smbdnmbd)がプロセッサID(pid) ファイルを配置するディレクトリの名前を指定します。これは、/var/run/samba/sharename/に設定する必要があります。sharenameは、クラスタ設定ツール ツールで指定したパラメータによって異なります。サービスごとのsmbdnmbdの個別インスタンスを許可するには、pidディレクトリを指定する必要があります。

bind interfaces only

このクラスタ化されたSambaサービスに関連付けられているフローティングIPアドレスにsmbdnmbdペアをバインドするには、このパラメータをyesに設定する必要があります。

interfaces

Sambaサービスに関連付けられているIPアドレスを指定します。サービスにネットマスクを指定した場合、このフィールドは以下の例のように表示されます。 interfaces = 10.0.0.10/255.255.254.0

共有固有のパラメータ

これらのパラメータは、特定のSambaシェアに関係します。

writable

デフォルトでは、シェアのアクセスパーミッションは書き込み禁止に設定されています。このパラメータは、必要に応じて変更してください。

path

デフォルトでは、サービス設定で指定した最初のファイルシステムのマウントポイントになります。この値は、クライアントへの共有で使用可能にする固有のディレクトリまたはサブディレクトリに適合するよう調整する必要があります。