各物理ハードウェアデバイス用に複数の論理ネットワークデバイスが 作成できます。例えば、システム内にひとつだけイーサネットカード がある場合(eth0)、別のニックネームと別の設定オプションで 論理ネットワークデバイスを作成し、それをすべてeth0に関連付ける ことができます。
論理ネットワークデバイスはデバイスエイリアスとは異なります。 同一物理デバイスに所属する論理ネットワークデバイスは、 別々のプロファイルで存在する必要があり、同時に起動することは できません。デバイスエイリアスも同じ物理ハードウェアデバイスに 属しますが、同一物理ハードウェアデバイスのデバイスエイリアスは 同時に起動することが可能です。デバイスエイリアスの作成に関する 詳細は、項19.13を参照してください。
プロファイルは、異なるネットワーク用に 複数の設定セットを作成するのに使用されます。設定セットは 論理デバイスだけでなくホストやDNSの設定も含むことができます。 プロファイルを設定した後は、ネットワーク管理ツール を使用して、複数のプロファイルを切替えることが できます。
デフォルトでは、共通と呼ばれるプロファイル がひとつだけあります。新規のプロファイルを作成するには、 プルダウンメニューからプロファイル => 新規を選択し、そのプロファイル用に 独自の名前を入力します。
メインウィンドウの下部にあるステータスバーで表示されるように、 新規のプロファイルを修正しています。
すでに一覧にあるデバイスをクリックして、コピー ボタンをクリックして既存のデバイスを論理ネットワーク デバイスにコピーします。新規ボタンを 使用すると、正しくないネットワークエイリアスが作成されます。 論理デバイスのプロパティを変更するには、そのデバイスを一覧から 選択して編集をクリックします。例えば、 すぐにわかるよう、eth0_officeなど ニックネームをわかりやすい名前に変更することができます。
デバイスの一覧の中に、プロファイルと ラベルの付いたチェックボックスの列があります。それぞれの プロファイル用に、デバイスに対しチェックを入れたり外したり することができます。チェックのあるデバイスのみが現在選択中の プロファイルに含まれます。例えば、Office と呼ばれるプロファイルにeth0_officeと言う 名前の論理デバイスを作成して、そのプロファイルが選択された場合に その論理デバイスを起動したい場合、eth0 デバイスのチェックをはずし、 eth0_officeデバイスにチェックを入れます。
例えば、図19-19では、 eth0_officeの論理デバイスを持つ Officeと呼ばれるプロファイルを示しています。 DHCPを使用して最初のイーサネットカードを起動するよう設定 されています。
図19-20に表示してあるように、 ホームプロファイルはeth0_home 論理デバイスを起動します。これはeth0 と関連付けられています。
また、eth0をオフィス プロファイルでのみ起動するよう設定して、ppp(モデム) デバイスをホームプロファイルでのみ起動 するよう設定することもできます。もうひとつの例は、 共通プロファイルでeth0 を起動して、旅行中に使用するために Awayプロファイルでpppデバイスを起動するよう設定した プロファイルです。
起動時にプロファイルを起動するには、ブートローダ設定ファイルを編集して netprofile=<profilename>オプションを含むようにします。 例えば、システムがGRUBをブートローダとして使用して/boot/grub/grub.confには次が含まれている場合、
title Red Hat Enterprise Linux (2.4.21-1.1931.2.399.ent) root (hd0,0) kernel /vmlinuz-2.4.21-1.1931.2.399.ent ro root=LABEL=/ initrd /initrd-2.4.21-1.1931.2.399.ent.img |
次のように変更します(<profilename>はブート時に起動されるべきプロファイル名です)。
title Red Hat Enterprise Linux (2.4.21-1.1931.2.399.ent) root (hd0,0) kernel /vmlinuz-2.4.21-1.1931.2.399.ent ro root=LABEL=/ netprofile=<profilename> initrd /initrd-2.4.21-1.1931.2.399.ent.img |
システムがブートした後にプロファイルを起動するには、 メインメニュー (パネル上) => システムツール => ネットワークデバイスのコントロールの順で進み (または、redhat-control-networkコマンドを入力)、 プロファイルを選択して起動します。 デフォルトの共通 インターフェース以外にもプロファイルが存在する場合にのみ、 プロファイルの起動セクションがネットワークデバイス のコントロールインターフェース内に表示されます。
代わりに、次のコマンドを実行してプロファイルを有効にできます (<profilename>にプロファイル名 を置き換える)。
redhat-config-network-cmd --profile <profilename> --activate |