第 5章. ディスク保存の管理

既存のパーティションテーブルを見たり、パーティションのサイズを変更したり、 パーティションを削除したり、空き領域又は追加のハードドライブにパーティションを追加したり、 などの作業を多くのユーザーが必要とします。 ユーティリティpartedでこれらのタスクを実行することができます。 この章では、ファイルシステムのタスクを実行する為のparted の使用法を説明します。

システムのディスク領域の使用量を表示したり、モニタしたりしたい場合は、 項42.3を参照して下さい。

partedユーティリティを使用するには、partedパッケージをインストールしている必要があります。partedを起動するには、シェルプロンプトでrootとして、コマンドparted /dev/hdbをタイプします。/dev/hdbは、設定したいドライブのデバイス名です。 (parted)プロンプトが表示されます。 helpとタイプして使用可能なコマンドの一覧を表示します。

パーティションを作成、削除、サイズ変更したい場合、デバイスが使用中であってはいけません (パーティションはマウントできません。スワップファイルは有効ではいけません)。 カーネルが正しく変更を認識でない恐れがあるため、 パーティションテーブルを使用中に変更しないでください。パーティションテーブルとマウントしたパーティションが適合しないため、 誤ったパーティションに書き込むとデータが上書きされる可能性があります。 これを簡単に実現するには、システムをレスキューモードで起動することです。 レスキューモードで起動する方法については、第11章を参照してください。 ファイルシステムをマウントするように要求されたら、スキップを選択します。

別の方法として、そのドライブが使用中のパーティションを含んでいない場合、 umountコマンドを使用してパーティションをアンマウントして、 swapoffコマンドを使用してハードドライブ上の全てのスワップ領域を止めます。

表5-1には、一般的に使用されるpartedコマンドが 含まれています。以下に続くセクションでは、それらのコマンドの幾つかをより詳しく説明して いきます。

コマンド説明
check マイナー番号ファイルシステムに簡単な検査。
cp 転送元 転送先1つのパーティションから別のパーティションへファイルシステムをコピー。 転送元転送先の部分はそれぞれのパーティションのマイナー番号です。
help使用可能なコマンドの一覧を表示。
mklabel ラベルの種類パーティションテーブル用にディスクラベルを作成。
mkfs マイナー番号 ファイルシステムの種類ファイルシステムの種類タイプのファイルシステムを作成。
mkpart パーティションの種類 ファイルシステムの種類 開始-mb 終了-mbパーティションを作成して、新規のファイルシステムは作成しない。
mkpartfs パーティションの種類 ファイルシステムの種類 開始-mb 終了-mbパーティションを作成して、指定のファイルシステムを作成。
move マイナー番号 開始-mb 終了-mbパーティションを移動。
name minor-num nameMac及びPC98ディスクラベル専用のパーティションに名前を付ける。
printパーティションテーブルを表示。
quitpartedを終了。
rescue start-mb end-mb失われたパーティションをstart-mbから end-mbに救出する。
resize マイナー番号 開始-mb 終了-mbパーティションサイズを 開始-mbから終了-mbへ変更。
rm マイナー番号パーティションを削除
select デバイス設定するデバイスを別に選択
set マイナー番号 フラグ 状態パーティションにフラグを設定; 状態は オン又は、オフ。

表 5-1. partedの コマンド

5.1. パーティションテーブルの表示

partedを開始した後に、次のコマンドをタイプしてパーティションテーブルを 表示します。

print

以下の様なテーブル(表)が表示されます。

Disk geometry for /dev/hda: 0.000-9765.492 megabytes
Disk label type: msdos
Minor    Start       End     Type      Filesystem  Flags
1          0.031    101.975  primary   ext3        boot
2        101.975    611.850  primary   linux-swap  
3        611.851    760.891  primary   ext3        
4        760.891   9758.232  extended              lba
5        760.922   9758.232  logical   ext3        

1行目はディスクのサイズを表示します。2行目はディスクのラベルタイプを示し、 残りの行でパーティションテーブルの出力を表示します。パーティションテーブルの 中では、マイナー番号がパーティション番号です。例えば、 マイナー番号1を持つパーティションは/dev/hda1に相当します。 開始終了の値はメガバイトです。 種類はプライマリ、拡張、論理のどれか1つになります。 ファイルシステムはファイルシステムタイプであり、これは ext2, ext3, FAT, hfs, jfs, linux-swap, ntfs,reiserfs, hp-ufs, sun-ufs, xfsの 内のどれか1つになります。フラグの列では、パーティションに 設定してあるフラグが表示されます。使用できるフラグはboot, root、swap, hidden, raid, lvm, lbaとなります。

ティップヒント
 

partedを再起動せずに別のデバイスを選択するには、 selectコマンドの後ろに/dev/hdbなどの デバイス名を付けて実行します。そうするとそのパーティションテーブルの表示や設定が 出来るようになります。