第 11章. 基本的システムの復元

何か問題が発生した場合、解決するための方法はいくつかあります。ただし、その方法を実行するには、 システムを十分に理解していることが必要です。本章では、システムを修復する知識を使用できる、 レスキューモード、シングルユーザーモード、及び緊急モードでブートする方法を説明します。

11.1. 一般的な問題

これらの復元モードの1つでブートする必要がでるのは以下の理由の いずれかになります:

11.1.1. Red Hat Enterprise Linuxを起動できない

この問題はしばしばRed Hat Enterprise Linuxをインストールした後に、別のオペレーティングシステムのインストールが要因で発生します。他のオペレーティングシステムの一部は、コンピュータに他のオペレーティングシステムがないとみなします。 このため、GRUB 又は LILOブートローダを収納している本来のマスターブートレコード(MBR) を上書きしてしまいます。このようにブートローダが上書きされてしまうと、 レスキューモードに入ってブートローダを再構成しない限り、Red Hat Enterprise Linuxを起動することができなくなります。

もう1つの一般的な問題は、インストール後にパーティションのサイズ変更、又は空き領域からの 新規パーティションの作成をするのにパーティション設定ツールを使用している時に発生し、 パーティションの順番が変わってしまいます。/パーティションの パーティション番号が変更された場合、ブートローダはパーティションをマウントするのに それを見付けることが出来なくなります。この問題を修復するには、レスキューモードでブートし、 /boot/grub/grub.conf(GRUB使用の場合)、又は/etc/lilo.conf (LILOを使用の場合)を修正します。又、LILO設定ファイルを修正した場合は、必ず/sbin/lilo コマンドを実行しなければなりません

11.1.2. ハードウェア/ソフトウェアに問題がある場合

このカテゴリには多種多様の状況があります。2つの例として、ハードドライブが機能しない場合とブートローダ設定ファイル内に無効なルートデバイス、あるいはカーネルを指定する場合があげられます。 これらのどちらかが発生すると、Red Hat Enterprise Linuxを再起動できません。しかし、システム復元モードの1つでブート すると、問題を解決出来る可能性があり、少なくとも重要なファイルをコピーすることは出来ます。

11.1.3. Root パスワード

Rootパスワードを忘れた場合、どうすれば良いのでしょうか? 別のパスワードに設定しなおします。 レスキューモード、あるいはシングルユーザーモードで起動し、passwdコマンドを 使用してRootパスワードを再設定します。