キックスタートファイルには、次のオプションを記述することができます。 キックスタートファイルを作成するのにグラフィカルインターフェイスを使用する場合は、キックスタート設定アプリケーションを使用できます。 詳細については第10章 を参照してください。
![]() | 注記 |
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オプションの後にイコールマーク(=)が来る場合は、 その後に値を指定する必要があります。 例に上げているコマンドでは、角カッコ([ ])内のオプションは コマンド用のオプション引数です。 |
自動的にパーティションを作成 — 1GB以上のroot(/)パーティション、swapパーティション、 アーキテクチャに対応する適切なブートパーティション。 1つまたは複数のデフォルトのパーティションサイズがpartディレクティブで 定義し直すことができます。
interactiveと類似していますが、 このコマンドでは次の画面が自動的に表示されます。おもに デバッグに使用します。
システムに関する認証オプションをセットアップ します。インストール後に使うauthconfig コマンドと似ています。デフォルトでは、 パスワードは通常、暗号化され、シャドウ化はされま せん。
ユーザーのパスワードにMD5暗号化を使います。
NISサポートを有効にします。 デフォルトでは、 --enablenisを指定するとネット ワーク上で見つかった任意のドメインが使用されます。 必ず--nisdomain=オプションで ドメインを手動で指定してください。
NISサービスに使うNISドメインの名前です。
NISサービスに使うサーバーです(デフォルト ではブロードキャスト)。
シャドウパスワードを使います。
/etc/nsswitch.conf内の LDAPサポートを有効にします。これによりシステムは ユーザーに関する情報(UID、ホームディレクトリ、シェル など)をLDAPディレクトリから取得できるようになります。 このオプションを使うには、nss_ldap パッケージをインストールする必要が あります。また、--ldapserver=と --ldapbasedn=を使用して、 サーバーとベースDNの指定も必要です。
認証手段としてLDAPを使います。これにより LDAPディレクトリを使ってパスワードを認証、変更 するためのpam_ldapモジュール が有効になります。このオプションを使うには、 nss_ldapパッケージを インストールしておく必要があります。 --ldapserver=と --ldapbasedn=を使用して、 サーバーとベースDNの指定も必要です。
--enableldapまたは --enableldapauthを指定した場合、 利用するLDAPサーバーの名前を指定するこのオプション を使用します。このオプションは、 /etc/ldap.confファイルで 設定します。
--enableldapまたは --enableldapauthを指定した場合、 ユーザー情報の格納場所の配下にあるLDAPディレクトリツリー におけるDN(識別名)を指定するためにこのオプションを使用します。 このオプションは /etc/ldap.confファイルで設定します。
TLS(Transport Layer Security)ルックアップを 使用します。このオプションによって、LDAPは認証前に 暗号化したユーザー名とパスワードをLDAPサーバーに 送信できます。
Kerberos 5を使ってユーザーを認証します。 Kerberos自体にはホームディレクトリ、UID、あるいは シェルという考え方はありません。したがって、 Kerberosを有効にする場合は、LDAP、NIS、Hesiodなども 有効に設定して、このワークステーションにユーザーの アカウントを認識させる必要があります。あるいは、 /usr/sbin/useraddコマンドを使用 して、ユーザーのアカウントをこのワークステーション に認識させます。このオプションを使う場合は、 pam_krb5パッケージを インストールしておく必要があります。
ワークステーションの所属先であるkerberos 5 のrealm(レルム)。
realmへの要求に対してサービスを提供する KDC(複数可)。realm内に複数のKDCがある場合には、 名前をカンマ(,)で区切って指定します。
realmに属するKDCで、kadmindが動作している もの。このサーバーはパスワードの変更やその他の 管理関連要求を取り扱います。複数のKDCがある場合には、 このサーバーはマスターKDC上だけで実行しなければ なりません。
ユーザーのホームディレクトリ、UID、シェルを ルックアップするためのHesiodサポートを有効にします。 ネットワークでのHesiodの設定と使い方に関しての詳細 はglibcパッケージの /usr/share/doc/glibc-2.x.x/README.hesiod を参照してください。HesiodはDNSの 拡張機能であり、DNSレコードを使用してユーザーや グループなどの各種項目に関する情報を保存します。
Hesiod LHS(Left-hand side)オプション。 /etc/hesiod.confで設定します。 このオプションは、Hesiodライブラリが情報を検索する 際に、DNSを検索するための名前を決定するときに 使用されます。LDAPによるベースDNの使用法と似て います。
Hesiod RHS(Reft-hand side)オプション。 /etc/hesiod.confで設定します。 このオプションは、Hesiodライブラリが情報を検索する 際に、DNSを検索するための名前を決定するときに使用 されます。LDAPによるベースDNの使用法と似ています。
![]() | ヒント |
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「jim」のユーザー情報を検索するには、 Hesiodライブラリは jim.passwd<LHS><RHS> を検索します。これにより、ユーザーのpasswdエントリに 似たTXTレコード(jim:*:501:501:Jungle Jim:/home/jim:/bin/bash)が得られ ます。グループの場合も、 jim.group<LHS>><RHS> を使うこと以外は同じです。 番号によるユーザーとグループのルックアップ は、「jim.passwd」のCNAMEとして「501.uid」を 作成し、「jim.group」のCNAMEとして「501.gid」 を作成することによって処理されます。 ライブラリが検索対象の名前を決定するとき、 LHSとRHSの前にはピリオド |
SMBサーバー(通常、SambaまたはWindowsサーバー) に対するユーザーの認証を有効にします。SMB認証サポート にはホームディレクトリ、UID、あるいはシェルという 考え方はありません。したがって、SMB認証サポートを 有効にする場合は、LDAP、NIS、Hesiodなども有効に設定 して、このワークステーションにユーザーのアカウント を認識させる必要があります。あるいは、 /usr/sbin/useraddコマンドを使用して、 ユーザーのアカウントをワークステーションに認識 させます。このオプションを使うには、 pam_smbパッケージをインストールしておく 必要があります。
SMB認証に使用するサーバー名。複数のサーバー を指定するには、名前をカンマ(,)で区切ります。
SMBサーバーのワークグループ名。
nscdサービスを有効に します。nscdサービスはユーザー やグループ、その他のさまざまなタイプの情報について の情報をキャッシュします。NIS、LDAP、Hesiodの いずれかを使用してネットワーク上でユーザーやグループ についての情報を配信するよう選択した場合、 キャッシュ化は特に便利です。
ブートローダーのインストール方法と、 ブートローダーがLILOまたはGRUBのどちらであるかを 指定します。このオプションはインストールと アップグレードの両方に必要です。アップグレードでは --useLiloが指定されていなくて、 現在のブートローダーがLILOである場合、ブートローダー はGRUBに変更されます。アップグレードでLILOを保存 しておくには、bootloader --upgrade を使用します。
カーネルパラメータを指定します。 複数のパラメータを指定するには、パラメータ をスペースで区切ります。例えば、
bootloader --location=mbr --append="hdd=ide-scsi ide=nodma" |
BIOSがブートする順序で最初になるドライブを指定します。例えば、
bootloader --driveorder=sda,hda |
ブートレコードを書き込む場所を指定します。 有効な値は次のようになります。 mbr(デフォルト)、 partition(カーネルを収納している パーティションの最初のセクションにブートローダーを インストール)、または、none (ブートローダーをインストールしない)
GRUBを使用している場合、GRUBブートローダー パスワードをこのオプションで指定されているものに します。これはカーネルオプションが随意にパスできる GRUBシェルへのアクセスを制限するために使用される べきです。
GRUBを使用している場合、パスワードがすでに 暗号化されていること以外は、--password= に似ています。
GRUBの代わりにLILOをブートローダーとして 使用します。
LILOを使用する場合、LILOのlinear オプションを使用します。これは下位互換を 目的としています(現在、デフォルトでlinearが使用 される)。
LILOを使用する場合、LILOのnolinear オプションを使用します。linearがデフォルト です。
LILOを使用する場合、自動検出の代わりに lba32を強制的に使用します。
古いエントリを保存しながら、既存の ブートローダー設定をアップグレードします。 このオプションはアップグレードでのみ使用 できます。
新しいパーティションを作る前に、システムから パーティションを削除します。デフォルトでは、 パーティションは削除されません。
![]() | 注記 |
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clearpartコマンドが使用されると、 論理パーティションで--onpart コマンドが使用できなくなります。 |
システムのすべてのパーティションが消去 されます。
パーティションを消去するドライブを指定 します。例えば、以下のコマンドで、プライマリ IDEコントローラの最初の2つのドライブ上の パーティションを消去します。
clearpart --drives hda,hdb |
ディスクラベルをアーキテクチャ用のデフォルト に初期化します(例、x86の場合はmsdos 、Itaniumの場合はgpt)。 このオプションを利用すれば、新しいハードディスク ドライブにインストールする場合、ディスクラベルを 初期化するかどうかを確認するメッセージがインストール プログラムによって表示されることはありません。
Linuxパーティションがすべて消去されます。
いずれのパーティションも削除しません。
完全な非インテラクティブコマンドラインモードでインストールを実行します。 インタラクションしようとするとインストールが停止します。 このモードはx3270コンソールを使うS/390システムに便利です。
ほとんどのPCIシステム上で、インストールプログラム によってイーサネットとSCSIカードは正しく自動検出 されます。しかし、古いシステムとPCIシステムの いくつかでは、キックスタートが正常にデバイスを 検索するには手がかりが必要になります。 インストールプログラムに余分のモジュールを インストールするよう指示するdevice コマンドは次のような形式になって います。
device <type> <moduleName> --opts=<options> |
scsiか、 ethで入れ換えます。
インストールすべきカーネルモジュールの名前 に入れ換えます。
カーネルモジュールに渡すオプション。 複数のオプションを渡すときは、引用符で 囲みます。たとえば、次のようにします。
--opts="aic152x=0x340 io=11" |
ドライバディスクがキックスタートインストール時に使用できます。 ドライバディスクの内容を、システムのハードドライブ上にあるパーティションの rootディレクトリにコピーする必要があります。次に、driverdiskコマンドを使って、インストールプログラムがドライバディスクを検索する場所を指定します。
driverdisk <partition> [--type=<fstype>] |
別の方法として、ネットワークの場所をドライバディスク用に指定できます。
driverdisk --source=ftp://path/to/dd.img driverdisk --source=http://path/to/dd.img driverdisk --source=nfs:host:/path/to/img |
ドライバディスクを収納しているパーティション です。
ファイルシステムタイプです (例、vfatまたはext2)。
このオプションは、インストールプログラムの ファイアウォール設定に 相当します。
firewall --enabled|--disabled [--trust=] <device> [--port=] |
DNS応答やDHCP要求などのアウトバウンド要求に応答のない受信接続を拒否します。 このマシンで実行中のサービスにサクセスが必要な場合は、 特定サービスがファイアウォールを通過できるよう選択できます。
iptables のルールは設定しないでください。
この一覧にデバイス(たとえばeth0など)を記述 すると、そのデバイスからのすべてのトラフィックは ファイアウォールを通り抜けることができます。複数の デバイスを記述するには、 --trust eth0 --trust eth1のよう に指定します。--trust eth0, eth1 のようにカンマで区切ることはできません。
指定したサービスがファイアウオールを通過できるように次を1つ、または複数入れます。
--ssh
--telnet
--smtp
--http
--ftp
ファイアウォールの通過を許可するポートを、 port:protocolの形式で指定できます。たとえば、 IMAPアクセスがファイアウォールを通過できる ようにするには、imap:tcp と指定します。ポートを数値で直接指定すること もできます。たとえば、ポート1234上でUDPパケットを許可するには、1234:udpと指定します。複数のポートを指定するには、カンマで区切って指定します。
システムが最初に起動するときにセットアップエージェント を起動させるかどうか決定します。有効にした場合には、firstbootパッケージをインストールする必要があります。指定がない場合、 デフォルトでこのオプションは無効になります。
システムが最初にブートするときにセットアップエージェント が起動します。
システムが最初に起動したときにセットアップエージェント は起動しません。
セットアップエージェントを有効にして、 再設定モードでのブート時にスタートします。このモードで、言語、マウス、キーボード、 rootパスワード、セキュリティレベル、タイムゾーン、ネットワーク設定などの オプションがデフォルトに加えて設定可能になります。
システムに対し、既存システムをアップグレードする のではなく、新規にシステムをインストールするよう 指示します。これはデフォルトのモードです。 インストールのためには、cdrom、 harddrive、nfs 、url(ftp または http インストール用)の中からひとつインストールタイプを 指定する必要があります。install コマンドとインストール方法のコマンドは別々の行に 入力しなければなりません。
システムの最初のCD-ROMドライブから インストールします。
ローカルドライブ上のRed Hatインストールツリー からインストール。VFATまたはext2で なければなりません。
--partition=
インストール元のパーティション (sdb2など)
--dir=
インストールツリーのRedHat ディレクトリを含むディレクトリ
たとえば、
harddrive --partition=hdb2 --dir=/tmp/install-tree |
指定した NFSサーバからインストール
--server=
インストール元とするサーバー (ホスト名またはIP)
--dir=
インストールツリーのRedHat ディレクトリを含むディレクトリ
たとえば、
nfs --server=nfsserver.example.com --dir=/tmp/install-tree |
FTPまたはHTTP 経由でリモートサーバ上にある インストールツリーからのインストール
たとえば、
url --url http://<server>/<dir> |
または、
url --url ftp://<username>:<password>@<server>/<dir> |
インストール時にキックスタートファイルで指定 された情報を使用しますが、与えられた値を検査し 変更することができます。インストールプログラムの 各画面にキックスタートファイルからの値が表示 されます。次ボタンを クリックして値をそのまま使用するか、値を変更して 次ボタンをクリックし、 続行します。autostepも参照して ください。
システムのキーボードタイプを設定します。 i386、Itanium、Alphaなどのマシン上で利用可能な キーボードの一覧を次に示します。
be-latin1, bg, br-abnt2, cf, cz-lat2, cz-us-qwertz, de, de-latin1, de-latin1-nodeadkeys, dk, dk-latin1, dvorak, es, et, fi, fi-latin1, fr, fr-latin0, fr-latin1, fr-pc, fr_CH, fr_CH-latin1, gr, hu, hu101, is-latin1, it, it-ibm, it2, jp106, la-latin1, mk-utf, no, no-latin1, pl, pt-latin1, ro_win, ru, ru-cp1251, ru-ms, ru1, ru2, ru_win, se-latin1, sg, sg-latin1, sk-qwerty, slovene, speakup, speakup-lt, sv-latin1, sg, sg-latin1, sk-querty, slovene, trq, ua, uk, us, us-acentos |
また、 /usr/lib/python2.2/site-packages/rhpl/keyboard_models.py もこのリストを含みます。このファイルはrhpl パッケージの一部です。
インストール時に使用する言語を設定します。 たとえば、キックスタートファイルに次の行を 記述すると、言語は英語に設定されます。
lang en_US |
/usr/share/redhat-config-language/locale-list は各行の最初のコラムに有効な言語コードの一覧を提供するファイルで、 redhat-config-languagesパッケージの一部です。
システムにインストールする言語を設定します。 langで使用した言語コードと同じ 言語コードをlangsupportでも使用 できます。
1つの言語をインストールするには、その言語を指定 します。たとえば、フランス語fr_FR をインストールして使用する例を次に示します。
langsupport fr_FR |
複数言語のサポートをインストールする場合は、 デフォルトが識別されなければなりません。
例えば、英語とフランス語をインストールし、英語を デフォルト言語として使用するには、
langsupport --default=en_US fr_FR |
--defaultに言語をひとつだけ 付けて使用すると、すべての言語がインストールされて 指定した言語をデフォルトに設定します。
次の構文を使用して、論理ボリューム管理(LVM)用の 論理ボリュームを作成します。
logvol <mntpoint> --vgname=<name> --size=<size> --name=<name> <options> |
以下のようなオプションになります。
既存の論理ボリュームを使用してフォーマット化しません。
既存の論理ボリュームを使用して再フォーマット化します。
先ず、パーティションを作成して、論理ボリューム グループを構成します。それから、論理ボリュームを 作成します。例えば、
part pv.01 --size 3000 volgroup myvg pv.01 logvol / --vgname=myvg --size=2000 --name=rootvol |
GUIモードとテキストモードの両方に対して、 マウスを設定します。オプションは、
マウスの接続先デバイス (--device=ttyS0など)
このオプションを指定すると、X Window System は、左右のマウスボタンの同時クリックを中央 ボタンのクリックとしてエミュレートします。 2ボタンマウスを使っている場合に指定する 必要があります。
オプションに続けて、次のようなマウスタイプを 指定することができます。
alpsps/2, ascii, asciips/2, atibm, generic, generic3, genericps/2, generic3ps/2, genericwheelps/2, genericusb, generic3usb, genericwheelusb, geniusnm, geniusnmps/2, geniusprops/2, geniusscrollps/2, geniusscrollps/2+, thinking, thinkingps/2, logitech, logitechcc, logibm, logimman, logimmanps/2, logimman+, logimman+ps/2, logimmusb, microsoft, msnew, msintelli, msintellips/2, msintelliusb, msbm, mousesystems, mmseries, mmhittab, sun, none |
このリストはrhplパッケージの 一部である/usr/lib/python2.2/site-packages /rhpl/mouse.pyファイルにもあります。
引数なしでmouseコマンドを指定する場合、または mouseコマンドを省略した場合は、インストール プログラムによりマウスを自動検出します。最近の マウスであればほとんどは検出されます。
システムのネットワーク情報を設定します。 キックスタートインストールでネットワークを使用する必要ない場合 (つまり、NFS、HTTP、FTP経由でインストールしない場合)は、 システムのネットワークは設定されません。 インストールでネットワークの使用が必要とされ ネットワーク情報がキックスタートファイルに指定されていない場合、 インストールプログラムは、eth0を経由して動的IPアドレス(BOOTP/DHCP) を使用しインストールするものとみなし、 最終的にインストールしたシステムがIPアドレスを動的に決定するように設定します。 このnetworkオプションは、 ネットワーク経由のキックスタートインストール及び、 インストールしたシステムのネットワーク情報を設定するものです。
dhcp、bootp 、static の内のいずれかを入力。
デフォルトはdhcpですが、 bootp と dhcp は同じ物として扱われます。
DHCP手法は、DHCPサーバを使用してそのネット ワーク設定を取得します。想像できる通り、 BOOTP手法も同様のもので、BOOTPサーバを 利用してそのネットワーク設定を取得します。 システムにDHCP使用を指示するには、
network --bootproto=dhcp |
システムがBOOTPを使ってネットワーク設定を 取得するよう指定するには、キックスタート ファイルで次の行を使います。
network --bootproto=bootp |
静的IPアドレスを使う場合は、必要なネット ワーク情報をすべてキックスタートファイルに 記述しておく必要があります。名前のとおり この情報は静的であり、インストール中だけで なくインストール後も使われます。1行に全ての ネットワーク設定情報を含む必要があるため、 静的ネットワークの行はより複雑になります。 IPアドレス、ネットマスク、ゲートウェイ、 ネームサーバを指定する必要があります。 例えば、(\は全てが1行に入ることを示します。)
network --bootproto=static --ip=10.0.2.15 --netmask=255.255.255.0 \ --gateway=10.0.2.254 --nameserver=10.0.2.1 |
静的アドレスを使う場合、次の2つの制約がある ことに注意してください。
静的なネットワーク設定情報のすべては 1行で指定しなければ なりません。たとえば、バックスラッシュ(\) を使って改行することはできません。
ここでは、ネームサーバはひとつだけの指定 になります。しかし、必要ならキックスタート ファイルの%postセクション (項9.7での 解説を参照)を使用して、ネームサーバを追加 することができます。
インストール時に使用するイーサネットデバイス の選択に使用します。インストールプログラムは ネットワークを設定してキックスタートファイル を検索するので、キックスタートファイルが ローカルファイル(ks=floppy など)でなければ--device=の 使用は、無意味であることに注意してください。 例えば、
network --bootproto=dhcp --device=eth0 |
インストール先コンピュータのIPアドレス。
デフォルトのゲートウェイのIPアドレス。
プライマリネームサーバーのIPアドレス。
DNSサーバーは設定しません。
インストールされるシステムのネットマスク。
インストールされるシステムのホスト名。
システムにパーティションを作成します。
システムの異なるパーティションに複数のRed Hat Enterprise Linux インストールが存在する場合、 インストールプログラムはユーザーにどのインストールをアップグレードするか聞いてきます。
![]() | 警告 |
---|---|
--noformatと--onpart が使用されない限り、作成されるパーティション はすべてインストール過程の一部としてフォーマット されます。 |
<mntpoint> は、パーティションがマウントされる場所で次の どれかの形態でなければなりません。
/<path>
例えば、 /、 /usr、 /home
swap
このパーティションはswap領域として 使用されます。
スワップパーティションの容量を自動的に 決めるには--recommended オプションを使用します。
swap --recommended |
自動的に生成されるswapパーティションの 最小サイズは、システムのRAMの容量よりも 大きく、その2倍を超えることはありません。
raid.<id>
このパーティションはソフトウェアRAID (raidを参照)用に使用されます。
pv.<id>
このパーティションは LVM (logvolを参照)用に使用されます。
パーティションの最小サイズを、メガバイト 単位で入力します。「500」など、整数のみで指定 します。数字の後ろにMBを付けないでください。
(もしあれば)最大許容量までパーティションを拡張 する、または、指定限度サイズまで拡張するよう に指示します。
パーティションを拡張するように設定する場合に、 最大パーティションサイズをメガバイト単位で 入力します。整数を使って指定し、数字の後ろに MBを付けないでください。
--onpartコマンドを使用する 場合、インストールプログラムに対して、 パーティションをフォーマットしないように 指示します。
パーティションをすでに存在している デバイス上に設定します。例えば、
partition /home --onpart=hda1 |
これで/homeパーティションを すでに存在する/dev/hda1デバイス 上に設定しました。
パーティションが特定のディスク上に作成される ように強制します。例えば、 --ondisk=sdbは、システム上 の2番目のSCSI ディスクにパーティションを設定 します。
プライマリパーティションとして自動 アロケーションを強制的に実行します。 実行できなければパーティション設定の失敗 になります。
このオプションは使用できません。 fstypeを使用してください。
パーティション用のファイルシステムタイプ を設定します。有効な値は、 ext2、 ext3、 swap、 vfatです。
パーティションの開始シリンダを指定します。 ドライブを--ondisk=または ondrive=で指定する必要が あります。また、終了シリンダを --end=で指定するか、 パーティションサイズを--size= で指定する必要があります。
パーティションの終了シリンダを指定します。 開始シリンダを--start=で 指定する必要があります。
![]() | 注記 |
---|---|
何らかの理由でパーティションの設定ができなかった 場合には、診断メッセージが仮想コンソール3で表示 されます。 |
ソフトウェアRAIDデバイスを構成します。このコマンド の形式は次のとおりです。
raid <mntpoint> --level=<level> --device=<mddevice> <partitions*> |
RAIDファイルシステムをマウントする位置です。 これを「/」とした場合は、 ブートパーティション(/boot) が存在しない限り、RAIDレベルは1でなければ なりません。ブートパーティションが 存在する場合は、/boot パーティションがレベル1でなければならず、 ルート(「/」)パーティション のタイプはどれでもかまいません。 <partitions*> (複数パーティションを列挙できることを表す)は、 RAIDアレイに追加するRAID識別子を列挙します。
使用する RAIDのレベル (0、1、または、5)。
使用するRAIDデバイスの名前(md0やmd1など)。 RAIDデバイスの範囲はmd0からmd7まであり、 それぞれ1度だけ使用することができます。
RAIDアレイに割り当てられたスペアドライブの数を 指定します。スペアドライブはドライブが故障した 場合にアレイを再構築するために使用します。
RAIDアレイのファイルシステムタイプを設定します。 有効な値は、ext2、ext3、swap、vfatです。
既存のRAIDデバイスを使用し、RAIDアレイをフォーマットしません。
既存のRAIDデバイスを使用し、再フォーマット化します。
次に示すのは、「/」に RAIDレベル1のパーティションを作成する方法、 /usrにRAIDレベル5のパーティション を作成する方法の例です。このシステムには3つのSCSI ディスクがあるものとします。また、各ドライブ上にswap パーティションをひとつずつ、計3つ作ります。
part raid.01 --size=60 --ondisk=sda part raid.02 --size=60 --ondisk=sdb part raid.03 --size=60 --ondisk=sdc |
part swap --size=128 --ondisk=sda part swap --size=128 --ondisk=sdb part swap --size=128 --ondisk=sdc |
part raid.11 --size=1 --grow --ondisk=sda part raid.12 --size=1 --grow --ondisk=sdb part raid.13 --size=1 --grow --ondisk=sdc |
raid / --level=1 --device=md0 raid.01 raid.02 raid.03 raid /usr --level=5 --device=md1 raid.11 raid.12 raid.13 |
インストールの完了後に再起動します(引数はありません)。 通常、キックスタートはメッセージを表示して待機し、 ユーザーがキーを押すと再起動します。
システムのrootパスワードを <password>引数で 指定します。
rootpw [--iscrypted] <password> |
これを設定すると、引数のパスワードはすでに 暗号化されているものとみなされます。
このオプションを指定すると、インストール先のシステム 上にXは設定されません。
キックスタートインストールをテキストモードで実行 します。デフォルトでは、キックスタートインストールは グラフィカルモードで実行されます。
システムのタイムゾーンを <timezone>に設定します。 timeconfigで一覧表示される タイムゾーンならどれでも使うことができます。
timezone [--utc] <timezone> |
これを指定すると、ハードウェアクロックがUTC (グリニッジ標準)時間に合わせて設定されている ものとみなされます。
システムに対し、新規システムのインストールではなく、 既存システムをアップグレードするように指示します。 インストールツリーの場所としてcdrom、ハードドライブ、 nfs, あるいは url(ftp や http用)のどれかを指定する 必要があります。詳細はinstallを ご覧ください。
X Window Systemを設定します。このオプションを指定 しないと、Xをインストールする場合のインストール中に 手動でXを設定する必要があります。最終的にXをシステムに インストールしない場合は、このオプションを指定しないで ください。
モニタの検証を行いません。
指定したカードを使用します。このカードの名前は、 hwdataパッケージ内の /usr/share/hwdata/Cardsのカード一覧から 指定します。この一覧はキックスタート設定 のX の設定 画面にもあります。この引数が指定されていない場合、 インストールプログラムは PCIバスのカードを検証します。 AGPはPCIバスの一部なので、AGPカードはサポートされて いれば検出されます。検証順序はマザーボードのPCIスキャン 順序によって決まります。
ビデオカードのビデオRAM容量を指定します。
指定したモニタを使用します。このモニタの名前は、 hwdataパッケージ内の /usr/share/hwdata/MonitorsDBのモニタ一覧 から指定します。この一覧はキックスタート設定 のX Configuration画面 にもあります。--hsync または--vsyncが指定されていると この引数は無視されます。モニタ情報を指定しないと、 インストールプログラムによってモニタは自動的に検証 されます。
モニタの水平同期周波数を指定します。
モニタの垂直同期周波数を指定します。
デフォルトのデスクトップをGNOMEまたはKDEに 設定します(%packagesによって GNOMEまたはKDEのデスクトップ環境がインストール されていることが前提)。
インストールされたシステムでグラフィカル ログインを使います。
インストールされたシステムでのX Window System のデフォルト解像度を指定します。有効な値は、 640x480、800x600、1024x768、1152x864、 1280x1024、1400x1050、1600x1200です。 ビデオカードやモニタと互換性のある解像度を 指定するようにしてください。
インストールされたシステムでのX Window System のデフォルトの色の深さを指定します。有効な値は 8、16、24、32です。ビデオカードやモニタと互換性 のある色の深さを指定するようにしてください。
論理ボリューム管理(LVM)グループを次の構文で作成する のに使用します。
volgroup <name> <partition> <options> |
以下のようなオプションになります。
既存のボリュームグループを使用し、フォーマット化しません。
既存のボリュームグループを使用し、再フォーマット化します。
先ず、パーティションを作成して、論理ボリューム グループを構成します。それから、論理ボリュームを 作成します。例えば、
part pv.01 --size 3000 volgroup myvg pv.01 logvol / --vgname=myvg --size=2000 --name=rootvol |
zerombrにyesを 単一引数として指定すると、ディスク上にある不正な パーティションテーブルはすべて初期化されます。 その場合、不正なパーティションテーブルがあるディスクの 内容はすべて破棄されます。このコマンドは、次の形式で 使います。
zerombr yes |
この書式でのみ有効です。
%include /path/to/file コマンドを使用し、キックスタート ファイルの%includeコマンドの場所に 内容があったかのように、キックスタートファイルにある 別のファイルの内容を含めます。